【企業向けウェビナー】 ボルネオ島熱帯林に由来する木材サプライチェーンと需要に潜むリスク ―サラワク(マレーシア)と西カリマンタン(インドネシア)の現場から―
さて、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)主催による企業向けウェビナーを下記の要領で開催する運びとなりましたのでご案内申し上げます。
JATAN は、2016年からサラワク産木材製品、とくに合板の原料生産と製品流通におけるさまざまな問題や影響について企業アンケート、セミナーなどを通してアドボカシー(政策提言)活動をおこなってきました。わたしたちは日本の建設・住宅産業のサプライチェーンに連なる各企業のみなさまに情報を提供し、使用されている合板製品の原料調達にともなって起こっている現場の問題に注視するよう要望し、また、調達現場の環境・ 社会面の悪影響を未然に防ぐための調達方針を立案・実行するようもとめてまいりました。
ウェビナー「ボルネオ島熱帯林に由来する木材サプライチェーンと需要に潜むリスク」では、熱帯林を保護し、地域住民の土地と生活をまもる活動にたずさわるNGO活動家二名をゲストスピーカーにお迎えし、現場レベルからみた熱帯材調達の危うさについてお話しいただきます。ウェビナーの冒頭ではJATANより先月おこなった熱帯材調達に関わる企業アンケートの集計結果・評価をお伝えいたします。
熱帯林産物製品の由来原料についてあらためて調達方針と受入れの実際をご検討いただくさいのご参考となれば幸いです。
どうぞ、ふるってご参加ください。
記
【日時】2024年3月18日(月) 15時30分~17時15分(終了予定)
【申込み】下記申し込みフォームよりお申込みください。
フォームに記入できない場合は、haradajatan[@]gmail.comまで件名を「3/18ウェビナー申込」として、①氏名(よみがな)、②メールアドレス、③所属先組織名(よみがな)、④ウェビナーへの期待や質問など(あれば)、⑤ウェビナーについてどこで知ったのか、を添えてお申込ください。
【主催】一般社団法人 熱帯林行動ネットワーク(JATAN) URL: https://www.jatan.org/
【協力】一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (GEF)
【参加費】無料
【対象】住宅・建設企業の木材調達担当者ならびにCSR担当者、金融投資関連企業、関心をお持ちの市民
【講師】※海外ゲストスピーカーの講演では逐次通訳(英語-日本語)が入ります。
Andi Muttaqien (Executive Director, Satya Bumi Lestari)
アンディ・ムッタキエン氏はジャカルタを拠点とするインドネシアの環境保護、人権擁護組織サトヤ・ブミ・レスタリの事務局長。前職は政策研究・人権擁護研究所(ELSAM)のアドボカシー専門部長。農園企業で働く労働者の人権擁護活動、持続可能なパーム油に関する円卓会議 (RSPO)の苦情処理メカニズムに対する是正・提言活動などに積極的に携わっている。また、公益弁護士ネットワーク(PIL-Net)のコーディネーターを務め、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)に関するインドネシア国内ならびに国際的な数々のセミナーに登壇し、農園労働者の人権強化を訴えている。
ウェビナーでは、西カリマンタン州における産業植林企業(マヤワナ・ペルサダ社)による大規模な森林破壊と土地収奪、さらにマヤワナ社を傘下におさめるコングロマリットのアラス・クスマに対する「組織とFSCとの関係に関する指針」違反の申し立てに関わった経緯などについてお話ししていただく予定である。
【参考URL】
Youtube Mighty Earth calls for urgent halt to deforestation in West Kalimantan, Indonesia (Youtube video based on the footage Satya Bumi collected)
FSC Japan「FSCは、アラス・クスマ(Alas Kusuma)グループに対する「組織とFSCとの関係に関する指針」違反の申し立てを受理しました」(Allegation submitted by Mighty Earth)
Annina Aeberli, PhD (Campaigner, Bruno Manser Fund: BMF)
アニーナ・エベリ氏は2011年よりサラワクで先住民の権利と熱帯雨林の保護に取り組むスイスのNGO、ブルーノ・マンサー基金のキャンペーン担当。2008年、チューリヒ大学地理学科卒業。2021年、ボルネオ島先住民ケニャ人と環境との関係をめぐる研究でベルン大学にて社会人類学の博士号を取得。ボルネオ島サラワク州の草の根組織とコミュニティを支援し、バラム川沿いの先住民のテリトリーを水没させるダムを阻止する活動などに従事してきた。
ウェビナーでは、サラワクにおける環境問題と人権に関する現況報告のほか、巨大木材企業のサムリン社の人権抑圧にフォーカスし、マレーシア木材認証評議会 (MTCC)とPEFCの苦情処理プロセスの制度的な瑕疵についてお話しされる予定。
【参考URL】
LOST IN CERTIFICATION– How forest certification greenwashes Samling’s dirty timber and fools the international market –
(BMF / Borneo Projectによるレポート「遺漏の認証制度」最新の報告書が暴くマレーシア木材業界のグリーンウォッシング)
遺漏の認証制度-サムリン社の汚れた木材を隠蔽し、国際市場を欺く森林認証の実態
(上記レポートのJATANによる日本語抄訳)
NEPConによるマレーシア・サラワク州の木材合法性に関するリスク評価(JATANのサイトに移動)
原田 公
熱帯林行動ネットワーク(JATAN)代表理事。JATANはマレーシア・サラワクでの熱帯林破壊の問題に取り組むため1987年に設立された。最近ではインドネシアにおける紙・パルプやパーム油、サラワク産の合板製品を中心にキャンペーンを展開、サプライチェーンに連なる日本企業などへの働きかけをおこなっている。
【参考URL】
JATANレポート「インドネシアからやってくる合板の裏側 〜アラス・クスマ・グループによる環境社会問題と銀行の責任」(Fair Finance Guide Japanのサイトに移動)
JATAN現場レポート「侵害される先住民の慣習地と深刻な社会紛争ーインドネシア・西カリマンタンのマヤワナ・ペルサダ社による土地収奪」
【ウェビナー当日のスライド資料 (PDF)】
※今回のウェビナーはパタゴニア環境助成金プログラムの助成を受けて実施しています。