パーム油と日本のつながり
パーム油は「アブラヤシ」というヤシ科の植物から採れる油です。現在、世界でもっとも消費されている植物油で、カップ麺、ポテトチップス、アイスクリーム、マーガリンといった加工食品だけでなく、石鹸や洗剤などさまざまな商品に使われています。世界で消費されるパーム油の約9割は東南アジアのインドネシアとマレーシアで生産されています。
何が問題なのか?
パーム油は、近年の東南アジアにおける森林減少のもっとも大きな原因となっています。効率的に生産するために、大規模にわたりアブラヤシのみを単一植栽するためです。プランテーションの開発にともない、オランウータンやゾウといった野生生物への影響、炭素を固定する泥炭地からの排出による気候変動への影響、先住民族との土地の権利をめぐる紛争、農園で働く労働者への人権侵害などさまざまな問題が起きています。
パーム油の問題については、日本の7つの団体によるネットワーク組織である「プランテーション・ウォッチ」としてこれまで取り組んできました。パーム油を利用する日本企業を対象に、アンケート調査を通じた取り組み状況の評価を毎年行っています。私たちの身の回りにあるパーム油が「あぶない油」かどうか確認してみましょう。