日本の木材貿易と森林破壊

※2000年時点での掲載記事です。

日本の木材貿易

日本は1960年代に急速に木材輸入量を増加させて以降、大量の木材を輸入し続けてきました。現在も実質的に世界最大の木材輸入国で、数多くの国々から木材を輸入しています。

日本の主な木材輸入先であるカナダ/ロシア/マレーシア/インドネシア/パプアニューギニアで伐採されているものの多くは原生林で、日本が木材チップを輸入しているオーストラリアでも、原生林を含む天然林が伐採の対象となっています。

木材を輸入することによる悪影響

日本が木材を海外に高く依存していることによって、海外の森林を破壊しているばかりでなく、日本の森林の機能低下をも招いています。

日本の森林は国土の66%を占め、世界でも有数の森林国です。戦後、スギやヒノキなどの大規模な植林が行われたため、現在では森林面積の約40%が 人工林で占められています。

しかし、1960年に木材の輸入を自由化して以降、国内の林業は安い輸入材に太刀打ちできなくなり、当時86.7%だった木材自給率は、2000年には18.2%にまで減少しました。
(現在、国内の森林の年間成長量は人工林を中心に約8000万m3に達しており、国内の木材総需要量約9000万m3に負けず劣らぬ量になっているにもかかわらずです。)

人工林は、下草刈り/除伐/間伐/枝打ちなどの手入れが必要ですが、国産材の需要が低迷しているため、間伐が行われず、成長していない細い樹木が密なまま で放置された状態になっています。

こうした状況は、木材資源を有効に利用できないばかりでなく、大雨による土砂崩れなどの風災害病害虫に弱い山林を生み 出しているのです。