2020年開催の東京オリンピックに使われる施設の建設が、にわかに論争の的になっています。新国立競技場の建設現場で、決して持続可能とはいえない熱帯材製品が使われていることが発覚したからです。
日本が持続可能性に配慮した木材の調達規制をクリアできないとすれば、サラワクの「ハート・オブ・ボルネオ」といったような希少な最後の熱帯林の破壊を推し進めているといわれても仕方がないでしょう。今回、わたしたちが特定した木材製品のひとつにシンヤンによる合板があります。シンヤンといえば、サラワクのもっとも悪評高い伐採企業のひとつで、取り返しのできない森林破壊、先住民の土地権侵害、違法伐採など、枚挙にいとまがない悪行の関与が疑われている会社です。
国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会は競技施設の建設に違法で非持続可能な木材を使用することのリスクの大きさについて、これまで繰り返し指摘を受けてきました。今回の発覚を受けて、わたしたちは、2020年東京オリンピックが熱帯林破壊という犠牲の上におこなわれてはならないという強いメッセージをIOCに対して発せざるを得ないと判断しました。
国際オリンピック委員会(IOC)宛てにあなたの声を届けてください。下記の署名サイト(英語)にアクセスし、【First Name (名)、Family Name (姓)、Email 】を入力の上、送信ボタン(Send My Email)をクリックしてください。※註: サイバーアクションは終了しました(JATAN事務局)
Email the International Olympic Committee
【陳情文面の日本語訳】
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2020年東京オリンピックのための熱帯林破壊は許されません。
スイス連邦
ローザンヌ1007番
シャトー・ド・ビディ
国際オリンピック委員会(IOC)御中
国立競技場の建設現場において、シンヤン社のものであると思われる表示の付いた熱帯合板がコンクリート型枠に使われていることが調査担当者によって判明しました。シンヤン社の合板は、熱帯林の破壊と人権の侵害への関与が指摘されていることから、たいへん深刻な事態として受け止めています。
そこで、貴殿に対し早急な事態の改善をお願いいたします。
独立した環境監査を使って、オリンピックの運営組織がどのように木材を調達しているか、開かれた調査を実行していただきたい
使用される木材が、合法で、持続可能性を担保し、また人権侵害に関わっていないことを保障できるよう、より強力な手立てを速やかに講じていただきたい
また、そうしたプロセスが完了し、適切な基準が適用されるまでの間、
2020年東京オリンピックの競技施設の建設には一切、熱帯材製品の使用を差し控えていただきたい
昨年12月に貴殿に送付した40を超える環境保護団体による警告の書簡が等閑に付され、東京大会の関係者によって適切な対応が取られなかったことを残念に思っています。
今般は、このような恥ずべき事態を認識され、速やかに解決の対応を取れますことを切に要望いたします。2020年東京オリンピックのために非情な森林破壊と忌まわしい人権侵害が行われることを潔しとされないことでしょう。
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【参考画像】
【リンク】
新国立競技場工事で違法木材使用か、NGOが調査要請
東京五輪会場に違法木材と指摘、JSCは反論
Environmentalists question Tokyo Olympic timber sustainability practices