「危ない油」を避けるために

持続可能なパーム油のための円卓会議とパーム油革新グループ

持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)は、環境への影響に配慮した持続可能なパーム油を求める世界的な声の高まりに応えて、2004年に設立されました。RSPOはパーム油に関する国際的な認証制度ですが、ブックアンドクレーム(B&C)やマスバランス(MB)方式のRSPO認証では非認証農園のパーム油が利用可能です。RSPOも基準や実施体制は強化されてきていますが、森林減少に対処する一般の天然林保護規定はなく、泥炭地保全に関する規定も弱く、人権侵害といった社会的問題への対処が不十分という課題も指摘されており、「危ない油」を回避することはできません。こうした課題に対処する基準をRSPOに追加して、「責任あるパーム油」を実現するためにパーム油革新グループ (POIG)が2013年に発足、POIG要求事項が策定されており、NGOとRSPO会員のパーム油業界によって進められています。

POIGの目標と要求事項

+ アブラヤシ農園および搾油工場の管理やサプライチェーン全体における環境・社会に関する問題、およびガバナンスの問題に対する改善を促進し、そのような改善がRSPOの原則と基準に反映パームされるだけでなく、パーム油産業全体に波及することを目指す。

+ 先駆的な生産者およびサプライチェーンのパートナーに対する付加価値を生み出すため、市場での認識を高め、革新的な方法によって生産されたパーム油製品に対する需要を増やす。

+ アブラヤシ栽培の方法、搾油工場管理の方法、責任ある調達、製品のトレーサビリティー、サプライチェーン全体にわたる検証における革新の経験について議論するための開かれた場として活動する。

+ 集団として政府と協議して、革新的な方法に向けた支援を獲得し、それらが法律・規則に組み込まれるよう促す。

パーム油革新グループ (POIG)では、「環境への配慮」、「地域社会とのパートナーシップ」、「企業および製品の誠実性」の三つの柱に焦点を当て、社会・環境への責任あるパーム油生産に向けたコミットメントを強化することが求められます。すべてのパーム油製品がRSPOの原則と基準に適合していることを証明し、第三者の検証を通じて要求事項に遵守していることを立証することで、森林破壊や人権侵害といった問題との関係を打ち切ることが可能となります。

リンク

持続可能なパーム油のための円卓会議(WWF):http://www.wwf.or.jp/activities/resource/cat1305/rsportrs/
パーム油革新グループ(英語):http://poig.org/
パーム油革新グループ憲章(日本語):palm oil innovations group charter