日本のホームセンターやスーパー、そしてオンラインショッピングの店頭でも安価なコピー用紙をたくさん見かけます。インドネシアをはじめ海外から輸入され、売られているコピー用紙は全体のおよそ三割を占めるといわれています。輸入コピー用紙の中でも最大のシェアを占めるのが、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(Asia Pulp & Paper; APP)社の製品です。APP 社は、生態学的にも貴重なスマトラ島の泥炭湿地林を破壊しているばかりか、伝統的な生業を営んできた地域の住民や先住民の暮らしに大変大きな影響を与え続けています。
APP社は最近、WWFやグリーンピースをはじめとする、同社を批判する多くのNGOの主張を「根拠がなく、正確さと妥当性も欠いている」と述べ、反対攻勢を強めています。たとえば、World Growth Institute(WGI)やTrade Strategies Global (ITS)といったシンクタンクと連携し、同社の企業活動擁護のためのキャンぺーン活動を展開しています。また、CNNなどの放送局で環境広告を流しています。
巧妙なグリーンウォッシングに警戒感を募らすインドネシアの主要NGOは、2010年3月に連名で「インドネシア 紙・パルプ産業の顧客企業及び投資企業への公開書簡」を発表しました。
アスクルやコクヨといった大手通販は依然としてAPPの顧客であり続けていますが、日本のリコー、富士ゼロックス、米国のウォールマートやステイプルズなど、コピー用紙製品を扱う世界的な主要ユーザー企業はすでにAPP社との購入契約を破棄しています。
An Open Letter to Customers of and Investors in the Indonesian Pulp and PaperSector (原文英語 Eyes on the Forestのサイトに移ります)
インドネシアNGOによる公開書簡(日本語翻訳版)