Press Release
2015年1月6日
絶滅危惧種コアラの生息地レアード州有林を破壊する
● 出光ボガブライ石炭鉱山開発
● ホワイトヘイヴン石炭鉱山開発
We Love Koalas but Japan-Australia Joint Coal Projects are Destroying
Threatened Koala Habitats and Local Communities.
日本企業が大きく加担、豪州炭鉱開発がもたらす自然生態系と地域社会への甚大な影響。
世界の気候変動対策とは逆行し、現在、日本では石炭火力発電が拡大し、石炭輸入の2/3を豪州に依存。
その採掘現地で起こっているのは・・・
■国の絶滅危惧種に指定されているコアラの生息地の破壊■
■土地権を主張する先住民社会に対する深刻な脅威■
■森林破壊と石炭燃焼による気候変動のリスク■
■地域コミュニティの分断や地下水の枯渇■
■事業によって生じる煤じんと騒音■
NSW州北部のリバプール平原で最大の在来植生エリアであるレアード州有林には州・連邦両政府が絶滅危惧種に指定しているボックス・ガム生態群が分布し、またオトメインコをはじめとする危惧種鳥類やグレーター・ミミナガコウモリ、コアラなど396種もの固有動物・植物種が生息・生育していることが確認されている。
熱帯林行動ネットワーク(JATAN)とフロント・ライン・アクション・オン・コール(FLAC)はレアード州有林の破壊に加担している国際協力銀行(JBIC)、伊藤忠、出光興産に事業の停止を要請して三社本社前にて1月8日(木)にバナーアクションをおこなった。
参考:
出光興産ボガブライ石炭鉱山【Idemitsu Australia Resources Pty Ltd】
出光興産は当地において2006年から一般炭の生産を開始し、2010年から生産量を拡大し2014 年計画では年間約540 万トン生産。最終的には年間650万トンまで拡張の予定。2014 年8月に鉱山権益10%を中国電力の現地法人に譲渡。JBICは炭鉱拡張プロジェクトに対し融資金額350百万米ドルを限度とする貸付契約を締結している。鉱区面積は約3,872ヘクタール。露天掘りの拡張計画では1,535ヘクタールの天然植生を皆伐する予定。
ホワイトヘイヴン社モールス・クリーク炭鉱【Whitehaven Coal Limited – Maules Creek Project】
ボガブライ炭鉱に隣接するホワイトヘイヴン社のモールス・クリーク炭鉱には、伊藤忠商事と電源開発(J-POWER)が権益のそれぞれ15%、10%を保有している。2014年から開発がスタートし、12月にはニューキャッスルの積出港に向けた鉄道輸送の試験運転がおこなわれた。州有林の中核で2,000ヘクタールの露天掘りをおこなう。最大で1,300万トンの年間生産が可能といわれ、産出石炭の燃焼による温室効果ガスの排出量はボガブライ、両社の合弁事業タラウォンガ(Tarrawonga: 出光 30%/+ ホワイトヘイヴン70%)の二つを併せて、CO2換算で年間6,000万トンと推計される。
以上
解説用リーフレット Anti Coal Action Flier(PDF)
画像撮影:内田道雄