98年 6月

日本製紙連合会向け質問書への回答書

1。古紙余剰等について

質問1
 日本の古紙利用率は従前から世界最高水準にありまして、1990年当初には約50%に達しました。同年、これをさらに55%にアップする「リサイクル55計画」を打ち出し、目標には到達しなかったものの、目標年の1994年度にはさらに3%以上の上昇となりました。

 この間、製紙メーカーではDIP(脱墨)設備の導入や多種多様な再生紙製品の開発、市場への展開を推進するとともに、古紙再生促進センターによる再生紙普及を目的とするグリーンマーク制度の充実、さらには古紙製品利用拡大のための広報活動の強化等を実施しております。

質問2

製紙メーカーでは、パルプ物、古紙物ともに消費者のニーズに対応して生産しており、消費者は自らの判断で購入しておられるものと考えております。なお、パルプ物のトイレットペーパーは、大手メーカーだけではなく、中小メーカーでも生産されています。

質問3

 日本製紙連合会は、新聞用紙等の古紙混入率(配合率)についての統計データを取っておりません。古紙再生促進センターの調査資料等によりますと、現状の新聞用紙の混入率は業界平均では45%程度というのが定説です。実際には古紙の発生地からの遠近など工場の立地条件等によって古紙混入率にばらつきがあると思われます。

「紙パ技協誌」に「30%そこそこ」とあったとのご指摘(97年7月号と思われます)については、これは日本で読まれた新聞紙(チラシ込み)のうち、30%が「新聞用紙の原料」として再使用されているという意味(用途別の構成比)で、「混入率」ではありません。新聞古紙は、新聞用紙への再使用だけでなく、中下級印刷用紙は紙器用板紙等の原料としても多量に使用されています。

 先にも述べましたが、当連合会には個別の古紙混入率についての統計データはありませんので、各メーカー、各新聞社の古紙利用率についてはお答えできません。

2。森林減少について

質問4
 森林は、再生可能な資源であり、収穫〜更新のサイクルを適切に関連させることにより、持続可能な森林経営を行うことができます。その意味で循環利用を前提とした収穫や、収穫された材を利用することは、森林の破壊を意味するものではないと考えております。

4ー1:製材残材は木材の製材時に発生するもので、むしろ資源の有効利用と考えております。このような利用がなければ、残材は焼却されたり、腐朽にまかせるだけとなります。

4ー2:「低質材」についての明確な定義はありませんが、私どもは、一般に家具・建築用材等として利用されるもの以外を「低質材」と言っております。

 収穫など森林の取り扱いについては、各国の法令や制度などにもとづいて行われており、その際発生する低質材の利用は、資源の有効利用の一つと考えております。

質問5

 カナダでは州政府によって森林施行規則や年間許容伐採量が決められており、その体系の下で木材生産が行われております。また同国の環境規制は世界でも最も厳しいものでありますが、両社とも適切な環境投資を行い、これらの規制値を十分にクリアーしていると聞いております。

質問6

 アメリカにおいても、連邦及び州政府によって、森林の取り扱いに関する厳しい諸制度が定められており、私どもはこの中で生産された木材チップを国際商品として買っております。

質問7

 熱帯雨林の利用や植林は当該区に政策に基づいて行われるものですから、それらについての意見は差し控えさせていただきます。

質問8

 パルプは製法により大きく分けて、歩留まりの高い機械パルプと、歩留まりは低いが繊維純度の高い化学パルプがあります。

 機械パルプは、太陽光や空気により変色や変質をするといった欠点があります。紙を漉く場合、その用途により機械パルプと化学パルプの長所と短所を使いわけております。

 化学パルプの代表的なクラフトパルプ製造では、原料木材の約半分はそのまま廃棄すれば、ご指摘の通り廃棄物になります。製紙会社では、これを燃焼してエネルギーとして利用しており、いわば薪と同様にエネルギーとして重要な役割を果たしております。さもなければ、これに相当する分は化石燃料に頼らざるを得ず、大気中のCO2の増加をもたらすことになります。このように原材料を活用して、エネルギーの増加をもたらすことになります。このように原材料を活用して、エネルギー効率を高めている例は他の産業に例を見ないところであると考えます。

3。植林について

質問9、質問10
 紙・パルプ企業が、現在世界で実施している海外植林は、将来の原料の確保が目的であることは言うまでもありませんが、同時に地球環境の保全と地域経済の発展への貢献についても配慮しております。このため、事前に環境アセスメント又はそれに代わる調査を実施し、行政当局の許可を得てから着手しております。

 事業に必要な土地は、先進国では地主から購入又は賃貸していますが、発展途上国では国から直接に、あるいは、慣習的利用権のある国では政府機関を介在して賃貸しております。当然のことならがら地主(あるいは土地の慣習的利用者)とは十分な話し合いをの上、購入または賃貸しております。

 なお現在、新規に実施される海外植林対象地のほとんどは、牧場跡地、草地、潅木地等であり、これらの多くはかって森林であった所です。

 植林事業の実施により、新たな雇用が創出され、地域の経済に大きく貢献していることはご承知のとおりであります。雇用期間につきましては、地域事情により異なりますが、例えばPNGのように1年のうち10か月にわたって植林可能な地域では、植え付け、下刈り等ほとんど年間を通じて労働の機会があります。

質問11

 昨年の京都会議で、森林によるCO2の吸収効果が国際的に認知され、我々がかねてから、「植林が地球環境保全に貢献している」と主張してきた点が認められました。今後、国内外において植林の重要性がますます大切になってくると認識しております。

 京都会議で決定した植林に関する主な点は1)1990年以降に植林した森林が吸収するCO2については、自国の排出量からマイナスしてもよい、2)森林の減少は排出として扱う、3)海外植林の具体的な取り扱いについては今後の国際交渉で取り決める、等であります。

質問12

 現在の海外植林は、前述のように、パルプ用材の造成を主目的としておりますが、それと併せて地域社会への経済貢献やCO2の吸収という効果を生んでおります。

 ご指摘の土壌劣化や、生物の多様性の問題につきましては、これまで実施してきましたブラジル等での植林の経験を踏まえ、今後の新たな事業地でも継続的な観察・調査を行い、問題が発生しないように注意するとともに、技術的な問題点については専門家などの判断を仰ぎ対処するようにしております。

質問13

 海外植林プロジェクト一覧(略)。

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