1月2日、アメリカ国内最大のホームセンターであるホームデポ社は、「危機的状態 にある」原生林 (endangered forest) から生産された製品の販売を停止することに前進することができたと発表した。
アメリカの環境保護団体が、ホームデポ社に対して社会に配慮した木材調達方針を 実行するよう働きかけた結果、同社は1999年8月、危機的状態にある森林から生産さ れたラワンやレッドウッド(セコイア)、スギ類(cedar)のある樹種で作られた木材 製品の販売を2002年末までに止めることを公約していた。
国内に1450店舗を抱える国内最大の木材小売店であるホームデポ社は、年間50億ドル以上の木材や合板、ドアや窓用資材を販売している。同社のアメリカ国内のホームセンター市場におけるシェアは、40%を越えていると推測されている。
ホームデポ社は、2×4から高級材ドアまでのさまざまな製品を販売している。同社は、まず卸売会社に対して、木材をどこから仕入れたかを尋ねるところからはじめなければならなかった。卸売会社はその供給会社に対して同じ質問をすることになった。
ホームデポ社によって委託された非営利調査会社によって書かれた報告書には、同社が公約を果たすべく精一杯努力しているとある。この発表は環境保護団体や業界団体、政府機関など20ヶ所に配布された。その内容は以下の通りである。
ホームデポ社が公約を発表するまで、同社に働きかけを行なってきたRainforest Action Network (RAN)は、この取り組みを「ほとんどすべての木材製品の流通ルートを明らかにする という有意義な取り組みに成功し、FSC認証を受けた木材製品の販売を劇的に増やし た」などとして「深い感銘を与えるもの」と評価している。
しかし、ホームデポ社はインドネシア産ラワン材の仕入れを減らしてはいるものの、 これまでの営業を完全にやめる予定はない。RANのマイケル・ブルーン氏は、この発 表はホームデポ社が公約違反をしていることを示していると言う。「店内にはまだラ ワン材が並んでいるのだから、公約は守られていない」とブルーン氏は言う。1999年、 ホームデポ社の創業者であるアーサー・ブランク氏が木材調達方針を2002年末までに 改めると公約したため、RANは抗議行動を停止したと言う。活動を再開する可能性も あると氏は述べている。
一方、ホームデポ社購買部副部長のロン・ジャービス氏は、同社は公約を守ってい ると考えている。「ブランク氏の声明ではラワンやレッドウッド、スギ類のある樹種 で作られた製品を排除すると述べており、矛盾はしていない。私たち自身や私たちが 話したほとんどの人々は、多くの人々が予想していたよりも多くの成果をあげたと考 えている」とジャービス氏は言う。また、ジャービス氏は、数ヶ月前の会合でブルー ン氏や他の環境保護団体のメンバーに、同社がインドネシアとの取引きをある程度続 ける理由を話したと言う。
「ホームデポ社は、取引きを続けることによって現地の伐採業者に持続可能な森林 経営を促すという、より大きな効果が得られる」とジャービス氏は述べている。「森 林が認証されるか、少なくとも持続可能な経営を推進するために森林経営者にインセ ンティブ(動機づけ)を与えるため、ホームデポ社がこのような形でこの地域に関わ りつづけることは、団体からも合意が得られたことです。」
また、RANによると、ホームデポ社は今なお、カナダのアルバータ州やブリティッ シュ・コロンビア州内陸部のオールドグロース林で伐採された製材を販売していると いう。「アメリカの最も破壊的な伐採会社との取引きを続けるなら、ホームデポ社は 方針に誠実に取り組んでいないことになる。その方が大きな問題だ」。ブルーン氏は ホームデポ社が取引きを停止すべき会社として、その林業施行状況を理由にボイジ・ カスケード社とジョージア・パシフィック社 をあげている。■
[AP通信(1月2日)、ホームチャンネル・ニュース(1月20日)、RANプレスリリース (1月2日)を基に、JATANにて編集]
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