企業の取り組み〜海外企業

大手木材製紙企業、インドネシア材の不使用を発表

ジョージア・パシフィック社とホーム・デポ社は、原生林の違法伐採と手を切ることを拒否

 5月15日、世界最大手の木材製紙会社であるインターナショナル・ペーパー社は、最大手の住宅建築会社、コンテックス・ホームズ社とラノガ・コーポレーションとともに、インドネシア産のパルプと木材の購入を全面的に取り止めることを発表した。

 インターナショナル・ペーパー社は、「インドネシア材の取り扱いを完全に停止することは、弊社が原生林保護を支援するという方針を貫くためにできる唯一の実際的な選択肢である」との方針を公表。これと並行してコンテックス社も、「世界のラワン材の多くが産出される地域では、原生林から伐採されていないことや、違法に伐採されたものでないことを保証するシステムが十分に実行されてないことがわかった」と述べ、インドネシア産の合板を住宅建築に使わないことを宣言した。

 一方で、木材会社大手のジョージア・パシフィック社は、インドネシアの伐採者との高額の契約を続けており、日曜大工用品チェーンのホーム・デポ社も「建設的関与」の方針で一部の供給業者からの購入を続けている。

 「ジョージア・パシフィック社とホーム・デポ社はインドネシア先住民社会の存在を脅かしている」と、Rainforest Action Network (RAN)の広報担当ブラント・オルソン氏は語る。「私たちは、この2社に対し、すぐにインドネシア産の木材やパルプの購入を全面的に停止するよう要求し続けている。伝統的な土地に対する先住民の権利が認められ、インドネシア政府が違法伐採を撲滅する約束をするその時まで」

 インターナショナル・ペーパー社とコンテックス社はともに、インドネシアの深刻な状況を認識しており、世界で最も多様な生物が生息する生態系を一掃したりしないよう、取り組みを進めている。RANが5月15日に発行した報告書 "Importing Destruction" によると、「インドネシアの熱帯雨林で最大級の木々が、世界でも最安値の熱帯材合板、家具、工具の柄、建築用資材に形を変えている」という。ラワンが伐採されている熱帯林は、オランウータンをはじめとする希少動物の重要な生息地である。

 「今回の発表はインドネシアの熱帯雨林とそこに生活する住民にとって大きな勝利である。しかし、私たちは、ジョージア・パシフィック社とホーム・デポ社がインドネシア産の木材製品を完全に使わないと合意するまで、キャンペーンを展開し続ける」と、RANの原生林キャンペーン部長ジェニファー・クリル氏は語る。

 インドネシア材の代替品として、RANでは大衆向けの製品を切り替えていくよう提案している。RANの報告書では、「ラワン合板はゴムの木で、ラミン材の工具の柄やペンキブラシの柄はポプラで、メルバウ材のフローリングや家具は竹やラタン(籐)で代替可能である」と紹介されている。

(2003年5月15日、Rainforest Action Networkプレスリリースより。翻訳協力:山田奈穂子)

※RANの報告書 "Importing Destruction" は、http://www.ran.org/よりダウンロードできます。

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