みんなでやろう!

オフィスで森林活動!キャンペーン

 「森林を守るために何かしたいけど、何をしたらいいかわからない」「仕事が忙しくてJATANの活動に参加できない」という方は少なくないのではないでしょうか?特に、最近オーストラリアの製紙用伐採の問題をJATANが取り上げているので、毎日使っている紙を何とかしたいと思っている人も多いはず。

 そんなあなたのために、オフィスでできる森林保護活動を紹介します。あなたが一人で節約するより、あなたのオフィスを変える方がはるかに効果が大きいのです。「自分はそんな力も勇気もない」と思った方も、一人でやる必要はありません。環境に関心のある人はあなたの周りにもいるはずです。仲間を集めてやれば、一人でやるより「楽」ですよ!

 以下は、JATANで考えた「オフィスで森林活動!」のやり方と、Aさんの経験です。でも、これはあくまで例です。必ずしもこのとおりに進める必要はありませんし、もっといい方法があるかもしれません。あなたのオフィスに合わせて検討して下さい。また、あなたがオフィスワーカーではない、という方も、あなたの職場や学校に合わせて応用してみて下さい。

Step 1 調べよう!

 何をやるにも、まず現状調査です。あなたのオフィスで使われている木質製品は何があるでしょうか?木材はほとんど使われていないかも知れません。そうすると、あなたの狙いは紙です。でも、紙といっても色々あります。消費量が多そうなものから順にリストアップしてみましょう!

 次のあなたのミッションはその消費量を調べることです。これによって、あなたの狙いを定めることができますし、他の社員を説得する時にも役に立つはずです。Aさんは、コピー用紙の消費量を調べるために、コピー機の横に積み上げられている未開封の箱がいくつ残っているかを毎日昼休みに数えました。1〜2週間くらい継続的に数をチェックしておけば、1日平均的に何箱くらい減るかがわかるはずです。Aさんのオフィスの場合、1日平均約2.2箱が消費されていました。このコピー機を使う社員は約90名、1束は500枚、5束で1箱ですから、1人平均では、500枚×5束×2.2箱÷90人=約60枚使っていたことになります。Aさんの職場はペーパーワークに大変熱心だったようです。

 但し、製品によってはリサイクル原料、すなわち古紙が多く含まれているものもあります。例えば、ダンボール箱の古紙利用率は90?95%、トイレットペーパーは再生紙製品であれば100%です。エコマークがついていれば、古紙利用率は、情報用紙の場合70%以上、衛生用紙は100%、事務用品は50%以上です。コピー用紙等、すでに再生紙に切り替えている会社も多いと思います。

 うっかり調査から漏れてしまうものもあるかもしれません。例えば、事業報告書や広告等の印刷を社外に発注していませんか?オフィス内で消費するものより、外部に発注している印刷物の量の方が多いかもしれません。

Step 2 理解を広めよう!

 さて、調査は終わりました。これからがあなたの腕の見せ所です。ゴールに向かってどのような戦略を用いるかを考えなければなりません。普段から発言力が強く、周囲から信頼されているあなたは、一人で真っ向勝負してもうまくいくかもしれません。素直で従順なあなたは、周りの人と協力した方がいいかもしれません。発言力だけでなく、具体的な代替品を提案したり、オフィスで全体的に盛り上げるためにも、仲間を探したほうがいいでしょう。

 さて、あなたはJATANのニュースレターを読んでいるので、森林保護の必要性は知っています。でも、どうやって他の人にそれを説得すればよいでしょうか?答えは簡単です。JATANの資料を利用すればいいのです。JATANはオーストラリアを題材とした、カラー写真をふんだんに使ったブックレットを発行しています。あなたはオフィス内でそれを社内の文書と同様に回覧すればいいだけです。紙原料のために皆伐された森林の写真は、きっと効果抜群!しかも、「オフィスで森林活動!」をするあなたには、JATANも無料提供の支援をします。

 但し、会社や職場によっては、業務以外の個人による活動が禁止・制限されている場合もあります。周囲との摩擦でせっかくのあなたの努力が無になっては元も子もありません。少しずつじわじわと説得する、別のできることを探すなど、あなたの会社・職場に合わせてやり方を考えてみて下さい。

Step 3 仲間をつくろう!

 さて、森林保護の必要性を訴えることはできました。次は、一緒に行動する人を集める作業です。関心のある仲間を集める程度でいいかもしれません。あるいは、「環境対策委員会」なんていう、いかにもそれらしいものを作ってしまう手もあります。

 仲間ができたら、これまであなたが調査したこと、JATANから得た知識などについてあなたが説明し、今後の方針と役割分担を話し合いましょう。消費量そのものの削減に向けて、業務形態を検討し直す等の根本的な改善策を検討するのもいいでしょう。

Step 4 行動しよう!

 いよいよ最後の段階です。オフィスの備品については、購入担当者にあなたの要望を伝えましょう。Aさんの場合、担当者の部署が遠かったため手紙を書きましたが、担当者も前向きだったため、すぐに行動に移してくれました。会社によっては、社員からの業務改善提案を募集していますので、それを利用する方法もあります。環境対策を担当する部署が設置されている場合は、そこに働きかけるのもいいでしょう。

 具体的な代替品の選定方法の考え方や商品のリストについては、グリーン購入ネットワークのホームページ(http://eco.goo.ne.jp/gpn/)に掲載されています。例えば、コピー用紙の古紙配合率については70%以上、白色度は70%を目安にしてはどうでしょうか。

 また、両面コピーや裏紙の利用を進めるのもいいでしょう。両面コピーを勧める貼り紙をしたり、裏紙を入れる箱を設置するといいかも知れません。誰にでも裏紙を使ってもらえるよう、コピー機の手差しトレイに裏紙を入れる向きを記載しましょう。

 外部に発注する印刷物については、再生紙を使用するように依頼することを社内のルールにするといいでしょう。印刷業者は「お客様」の要望を聞いてくれるはずです。但し、これはオフィス内の意識を高め、合意を得る必要があります。

 消費側だけでなく、リサイクルを進めるのもいいでしょう。コピー用紙等の上質紙は古紙としての価値が高く、会社全体で回収を進めれば効率がいいのです。まずは回収ルートを確保しなければならないので、担当者に動いてもらわなければなりません。

Step 5 報告しよう!

 さて、あなたの「オフィスで森林活動!」はうまくいったでしょうか?うまくいかなかったこと、苦労したことはありましたか?是非、あなたの行動の結果や経験をJATANまで報告して下さい。あなたの経験が他の人の役に立つよう、紹介したいと思います。たくさんの経験談が集まれば、このキャンペーンをもっと広げるために「オフィスで森林活動!」のマニュアル本を作ろうなんていうことも考えています。

 では、がんばって下さい。報告もお待ちしています!

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